14兆1000億ドル(約1528兆円)もの米国債の予想で後れを取るウォー

14兆1000億ドル(約1528兆円)もの米国債の予想で後れを取るウォール街にとって、挽回は容易でないのが実情だ。

3月時点のコンセンサス予想では、10年債利回りは現在までに悠々と3%に向かっているはずだった。インフレと経済成長はしっかりした軌道をたどり、米金融当局による2017年の利上げは恐らく3回、もしくは4回にさえ達するという見方が大勢だった。

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しかし、現状を見ると10年債利回りは心理的な節目である2%をぎりぎり上回るのがやっとで、振り出しに戻って予想しなければならないのが実態。ブルームバーグの最新調査によれば、年末時点の10年債利回りは2.48%への上昇が見込まれている。年末時点の見通しとしては、利回り自体と同様、昨年11月以来の低水準だ。3%突破は19年までないとみられている。

パイパー・ジャフレーのシニア・エコノメトリック・ストラテジスト、ディミトリオス・デリス氏は「正確に予測できないなら、こまめに予測すべきだと常に話している」と語る。年末時点の10年債利回りについての同氏の予想は3月以降、2.1%。「あと数年は続くであろうディスインフレの環境にあり、そのため10年債利回りは低下傾向にある」と説明した。

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トランプ米政権が財政政策による景気刺激の公約を実現できずリフレ期待も後退する中で、債券市場が利回り上昇の可能性にいかに悲観的になっているかを、こうした見通しの変化は浮き彫りにしている。昨年12月には次期政権の財政刺激策などを楽観し、10年債利回りは2.64%と2年ぶりの高水準に押し上げられたが、当時楽観論に飲み込まれたアナリストは大急ぎの予想下方修正を余儀なくされている。これに対し、高齢化や生産性の伸び悩みといった構造的な諸力が優勢となると見込んでいた向きにとっては、17年はほぼ予想通りの展開となっている。